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第ニ章「本件の真相」

6-3. 詐欺事件は存在しない
 以上のとおり、私は本件詐欺事件とは無関係であり、本件詐欺事件は存在しない。また、本件は、銀行を挙げて行われたノンバンクとの「BIS規制8%」クリア用の取引であって、これに私が関わりを持ちようがないことは明らかである。それなのに、捜査機関による証拠隠しの結果、事実に反する起訴が行われ、真実が明らかにされず長年月を経過したのである。これは職権濫用に他ならず、これこそ犯罪行為であって、確信的な職務犯罪行為であり絶対に許されないことである。私が、本件について裁判所に対して公訴棄却を求めたのは、そのためだったのである。(後に客観的諸証拠により再度詳細に立証する。)

6-4. 債権譲渡契約書の検証
 東海銀行が平成4年1月16日オリックスアルファ(株)との間で東海銀行秋葉原支店の(株)ウェイアウトスポーツに対する貸出債権を「質権設定承諾書」ならびに第三者債権者の承諾に基づく「質権」とともに譲り受ける「債権譲渡契約」に基づく契約を締結したものである。また同日、同様の債権譲渡契約が総合ファイナンスサービス(株)と東海銀行の間で行われ、同年3月30日協和商工信用(株)、(株)日貿信が東海銀行との間で同様の債権譲渡が行われている。完全な民事・商事経済取引である。

(コ) 「債権譲渡契約書」を検証ください。

(シ) 「債権譲渡契約書」を検証ください。

6-4.-(1) 契約内容
  東海銀行が行ったオリックスアルファ(株)との債権譲渡契約書を例にとってみると、譲渡される債権は、「金五拾弐億五千万円也、但し、一九九一年六月一二日付金銭消費貸借基本契約書に基づき平成三年六月一三日振出の約束手形による貸付金債権元本金五拾億円及び平成三年九月一四日以降本日まで年一四.六㌫の割合による遅延損害金債権金弐億五千万円」(原文まま)と記載されている。

「2. 質権の表示
  平成3年6月13日付質権設定承諾書並びに同日付第三者の承諾に基づく質権 
  発行銀行名   株式会社東海銀行秋葉原支店
預金種類    通知預金
通帳番号    129296-00001 ←※コピー偽造立証証拠「質権設定承諾書」にはこの「―00001」は不存在なのである。
預金金額    金五拾億円也
預入日     平成3年6月13日
預金名義人  株式会社ウェイアウトスポーツ」
この債権を東海銀行は質権とともに代金五拾弐億五千万円という対価を払って買い取ったのである。(第一条)

  後にコピー偽造「質権設定承諾書」で詳細に立証するが、この「預入番号―00001」存在と不存在が本件詐欺事件捏造を立証することになったのである。

  ここでは、後に大問題となる「通帳番号―00001」にご注目ください。

6-4.-(2) 譲渡契約を銀行も認めた
 東海銀行とオリックスアルファ(株)の債権譲渡契約で、まず特筆しておくべきことは、「質権設定承諾書」が外部に対して有効で効力を有するものであることを、公判で東海銀行が認めたことである。

 証人もこれを裏付ける証言を行った。同証人は、東海銀行の元副頭取であり、同行のこの事件にかかる諸問題処理の最高責任者であった。同証人は、「本件各質権設定承諾書が内部に対して無効であっても外部に対して有効である」と明確に述べたうえ、同行はノンバンクに対するこれら質権設定承諾書に基づく責任を免れないと判断し、そのノンバンクに対する債務を履行する趣旨でここに関わっている事件に債権譲渡契約を締結したことは、同行取締役会の審議を経た結果であることを明らかにした。

6-4.-(3) 手形取引及び取引当事者の確認
  東海銀行とノンバンクは、この債権譲渡契約で譲渡の対象として「約束手形による貸付金」と明記されているように、東海銀行とノンバンクは、この契約によって、今回の事件の融資が、本来は手形による取引であり、その債権は手形債権であることをお互いに認めたのである。

 前に詳述したとおり、この融資が手形による取引であることを認めたということは、その手形取引の当事者が東海銀行とノンバンクである真相をお互いに認めたということであり、債権譲渡契約第二条によって、東海銀行は「約束手形債権」一式を回収し、その手形取引の精算をしたということである。そして、東海銀行は、質権とともに債権を譲り受けたのであるから、質権の対象となる預金の存在までをもお互いに確認したのである。「預入番号―00001」存在がその証左なのである。

6-4.-(4) 不法行為責任履行の主張の虚偽
  東海銀行は、この債権譲渡は、東海銀行の職員である銀行員の詐欺の不法行為に基づくノンバンクの損害に対する賠償を債権譲渡の形で行ったものであると説明しているが、それは事実に反する。真相は「銀行員の特別背任の不法行為に基づく銀行の損害」に対する損害賠償なのである。 詐欺事件の損害賠償であれば、そのように契約書に明記するのが当然であるし、譲渡の対価として支払われた金員は、不法行為に基づく損害賠償金(譲渡債権の元本五〇億円、民法所定(五㌫)の遅延損害金を加えたもの)とは全く異なる。 債権譲渡契約は、平成3年9月13日までは、約定の金利が支払われたとして、さらにその後債権譲渡契約の日までの遅延損害金(年一四.六㌫)を譲渡対象の債権としているのであって、これはそれまでの取引の継続を前提とした精算であることを明らかにしている。 また、同銀行は行員が預金を取り崩し消費して、返済を受ける見込みがなく、価値がなくなった債権を、元本に利息総額を加えて買い取るという内容の債権譲渡をするはずがない。そのような債権譲渡は、銀行に損害を及ぼすことが明らかな行為であり、背任罪に該当するのである。この契約は、東海銀行取締役会の承認を得て行われたものであり、取締役たちがそのような背任行為をあえてしたとは考えられない。

6-5. 債権譲渡契約書が証明する刑事犯罪の不存在
 そうであるならば、この事件の起訴に関わる犯罪行為が存在しないことは、明白であるといわなければならない。

  すなわち、前に述べたとおり、この事件にかかわる詐欺の公訴事実は、「銀行員が有効な質権設定承諾手続をとるつもりがないのにこれがなされて貸付金の回収が確実になされるものとノンバンクを欺こうとし、その旨誤信させて融資金を騙取した」というのであるが、銀行が「約束手形債権」一式として約束手形と預金が一体となり質権設定承諾書を有効であるとし、銀行がこれに責任をもつことを銀行自身が認めるような承諾の事務処理が銀行員の手で行われたのであるから、オリックスアルファ(株)は「約束手形債権」一式による東海銀行への貸付金の回収は確実になされる関係にあったのである。

  検察官の主張する「欺罔」も「誤信」もなく、起訴状、追起訴状にあるそれぞれの詐欺罪はいずれも成立の余地がない。もとより、有印私文書偽造罪など成立するはずもないのである。そもそも「協力預金」資金融資の取引が存在しないことは、すなわち検察官が犯罪でも何でもないものを、民事不介入の大原則を無視し、あえて犯罪であると捜査機関の犯罪行為により捏造した真相を、「債権譲渡契約書」の金利が立証したのである。

 私が本件を捜査機関の犯罪行為とする理由は、平成4年1月16日実行のオリックスアルファ(株)と東海銀行との「債権譲渡契約書」は、本件真相である「東海銀行VSオリックスアルファ(株)」の純粋な民事・商事の取引である事実を立証する結果となったからなのである。我が国の刑事訴訟法では「約束手形債権」一式(原本)を押収した上で、平成4年1月7日オリックスアルファ(株)に対して押収物を還付した事実は絶対に許されない暴挙で、これこそが犯罪行為であるからだ。  

 捜査機関は押収した取引関係書類「約束手形債権」一式(原本)を平成3年12月26日から、オリックスアルファ(株)の仕事始めである平成4年1月6日までに還付するという条件で押収した事実は、捜査機関が全て承知した上で民間の商取引に柳俊夫検察官が刑事事件として暴力的に目的をもって計画的に介入したもので、断じて許しがたい職務犯罪行為と断言するものである。

6-6. 捜査機関による犯罪構図は破綻している
 柳俊夫検察官、貴殿指揮の捜査機関が還付した取引関係書類一式(原本)を用いて平成4年1月16日、「債権譲渡契約書」に基づく「約束手形債権」一式経済取引が実行された真相こそ、本件捜査機関がコピー偽造による詐欺事件偽造用のコピー偽造取引関係書類一式を作り上げ、まったく別な経済取引を用いて詐欺事件の犯罪取引構造を捜査機関、つまり当時、貴殿が指揮した捜査機関が組織ぐるみで貴殿の筋書通りに捏造を行ったという証左なのである。

  貴殿が主張する「協力預金」名下の資金融資取引は存在しないのである。真相は「一般貸出債権」の流動化を目的とした「東海銀行秋葉原支店VSオリックスアルファ(株)」による「約束手形債権」一式(原本)を用いた純粋な「民事・商事の取引」であることが、これらの事実から立証されたのである。  その事実が分かっていながら、柳俊夫検察官、貴殿は真相を隠し公訴提起したことこそ犯罪行為であり、それも確信的な職務犯罪行為であると断言する。

公開質問5 この事実について、検察当局あるいは柳俊夫検察官はいかなる説明ができるのか、明白に答えてほしい。

 法格言に「actus omissa forma legis corruit(法律上の方式を無視した行為は崩壊する)」とあるではないか。検察は証拠隠蔽、証拠捏造をすべきでなく、潔く公訴を取り下げるべきであった。

 さらに言うならば、裁判所は、この事実を知りながら公判を継続したのである。法と正義に基づく本来の裁判所であれば、この事実を知ったその時点で速やかに公判手続を打ち切り、公訴棄却の判決を下すべきであるにも関わらず、それをしなかったことにより、「戦後最大の金融不祥事」と騒がれた一大事件を裁く、本法廷が「戦後最大の法廷不祥事」として汚点を残したのである。(後日裁判官に対しても公開質問を行う。) さらに加えておきたい。法格言に「da mihi factum, dabo tibi ius(我に事実を与えよ、汝に法を与えん。)」ともある。であるならば、事実の立証に対し、もっと真摯に謙虚に接すべきであった。  実態は「nulla poena sine lege(法律なくして刑罰なし)」の法諺に逆らう、検察当局の公訴提起、裁判所の訴訟指揮、そして判決であった。まさに、「法廷に法なし」の体であったのである。

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