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  • もくじ
  • 序章 はじめに
  • 第一章 BISの国際基準
  • 第二章 本来の真相
  • 第三章 「罪となるべき事実」の不存在
  • 第四章 「真相」を隠蔽した大きな理由
  • あとがき

序章 はじめに

  前回、第1弾(公開質問状)を発表し、インターネットに公開した。そこでは、多くの方から共感をいただいた。こうして第2弾を執筆している今、我が国では、東京電力の福島原子力発電所の放射能漏れが大きな問題となっている。いくら北朝鮮や中国の情報統制をマスメディアが非難し、日本に報道の自由があたかも存在するかのように報道していても、原発のメルトダウンで明るみになったように情報が規制されているのが現実である。皆さん、そろそろ真実を知る権利があると思いませんか?

 いわゆる「バブル時代」で起こった大手都市銀行を舞台とした「巨額不正融資事件」で本当は何が起きていたのか、「バブル経済社会」の元凶となった本件の背景に存在する我が国銀行の構造的な歪曲性、銀行と国家が犯罪に犯罪を重ねた、その「真相」をどのような隠蔽工作を用いて国民大衆にしたのか、我が国大手都市銀行が国際金融経済社会で生き残るために国際的に要求されるに至った自己資本比率8%以上(以下「BIS規制8%」とする)従前の我が国における自己資本比率算定方式と全く異なる方式(リスクアセット方式)によって算定される自己資本率の基準BIS規制8%をクリアすべく約5年間も繰返された「BIS規制8%」クリア操作こそ、我が国金融機関全体による国際経済社会に対する暴挙なのである。これから客観的諸証拠を用いて、当時(昭和62年~平成3年)我が国政府金融首脳による国際金融政策の大失態を立証した「BIS規制8%」クリア操作を皆様に公開する。 私、室岡克典が21年の歳月を掛けて突き止めた「BIS規制8%」クリア操作こそ、銀行ぐるみの犯罪行為であり、この「真相」が外部に漏れたならば我が国金融首脳そして金融機関に対する一般国民の信頼が根底から崩れ去る恐ろしい銀行の不正な手続の繰り返しこそ銀行の権威の失墜、国家の信用経済の混乱となる重大な「真相」を今こそ、皆様に知ってもらいたい。

 それは我が国の主要都市銀行が「BIS規制8%」クリアすることは我が国の生命にかかることであり、大蔵省(現財務省)指導の下、都市銀行各社が生存をかけて「BIS規制8%」クリアの目標に向かって行った金融機関全体による「BIS規制8%」クリア操作の不正腐敗である。その真相を東海銀行秋葉原支店(現 三菱東京UFJ銀行)が行った「BIS規制8%」クリア操作の不正手続を客観的証拠である手形用紙を用いた一般貸出債権の捏造(有価証券偽造)を用いた「約束手形債権」一式(CP)金融商品、各ノンバンクに流動化(売却)することで貸出資産の圧縮による自己資本比率向上操作を「特別プロジェクト」内で行った「真相」を客観的証拠も用いて、ここに公開する。なお、論証は全て当時の銀行法や金融商品取引法に基づいて立証する。

 昭和56年銀行法の改正により、金融取引の国際化が進展し、国内外の金融機関の相互乗り入れが著しく進行していた。BIS規制とは、昭和63年に国際決済銀行(BIS:Bank for International Settlements)が設定した、総資産に対して自己資本比率を8%以上保持しなければならないという国際統一基準である。この基準を達成できない銀行は事実上、国際業務ができなくなる。

 大蔵省(現財務省)の金融行政、特に銀行行政はBIS規制の対応にあたり、大蔵省指導のもと「BIS規制」クリア対策として、驚くべき「BIS規制8%」クリア操作を銀行内「特別プロジェクト」で実行したのである。この対策は大手都市銀行により、昭和61年~平成3年6月末まで行われた。そしてこの「特別プロジェクト」こそ、我が国の国際金融市場に対する背信である。

 私が平成3年8月から「巨額不正融資事件」の元凶、「3,000億円の黒幕」とマスメディアで大騒ぎされたあげくに、280億円の「詐欺、有印私文書偽造同行使」罪などと言うとんでもない犯罪者にされたことこそ、まさに銀行外の「黒幕」が真面目な銀行員を操った共犯者と机上で作り上げてまで「真相」を隠蔽しなければならない「特別プロジェクト」が存在した証なのである。

 平成3年7月25日、富士銀行赤坂支店を舞台とした「巨額不正融資事件」発覚と新聞各紙が大騒ぎしたことも金融経済社会において何のキャリアも無い当時弱冠41歳の人間が、急に大手都市銀行富士銀行赤坂支店、東海銀行秋葉原支店両行を舞台として銀行員を操った「巨額不正融資事件」の黒幕に仕立て上げたことも全て計画的に行われた「真相」の隠蔽というとんでもない理由が存在したのである。

当時、私は不動産関係の仕事を手広く行なっていたこともあり、銀行員から「物件を集めてくれ。担保となる不動産物件を時価の3割くらいで、それも巨額物件をいっぱい集めてくれ」と頼まれ、巨額な銀行からの融資金を用いて金融不動産物件を夢中で集めただけなのである。そのことは捜査機関の裏付け捜査でもはっきり証明されているように、約670億円の不動産を集めていた。

 ところがそんな私をマスメディアは、さしたる根拠もなく、タイに逃亡したとか、豪勢な生活をしている旨の大合唱を連日、繰り返し私に対する国民大衆の反感を掻き立て結果的に銀行員を操った金融ブローカーとして報道した。当人は愕然としたのである。何が何だか分からない。平成3年12月17日、代用監獄たる警視庁万世橋警察署留置場に留置された。しかし捜査機関は、その間完全黙秘している私に対し、実質的な取り調べもされなかった。捜査機関による報復的な勾留は、平成5年2月18日まで、約1年2カ月も継続されたのである。これほど残酷な仕打ちはない。自分が悪いことをしたという自覚があれば、当然なことだと理解も納得もしようがあるが、実際に逮捕されている被疑事実が何も分からない。これほど辛いことは無い。

 

私は平成4年1月7日、東海銀行秋葉原支店を舞台とした「詐欺、有印私文書偽造同行使」罪、被害額100億円で起訴され、同年1月28日、30億円で追起訴されても、当然のようにまだ何が何だか分からず、「これは大変なことになった」と自覚し、民事、刑事の弁護団を結成したのであった。平成4年4月30日東京地裁104号法廷で審理が開始され、同年12月22日第7回公判弁護人反対尋問で、共犯者とされる銀行員の証言により犯罪構造が起訴事実とまったく違う「約束手形」を用いた民事、商事の「銀行⇔ノンバンク」による経済取引である事実が判明した。その結果、起訴事実の犯罪取引構造「ノンバンク⇔借受名義人」の取引は存在しないことが判明したのである。金融常識で「詐欺事件」の被害者となったノンバンクは金融機関内限定の銀行以外とは絶対に経済取引ができないのである。つまり犯罪取引そのものが机上で作り上げた捏造だったのである。当然、裁判所も弁護団の主張を認めた。ついに公判維持が出来なくなり、私の保釈が検討されたのである。

しかし、検察官は愚かにも今度は、「約束手形」を用いない富士銀行赤坂支店同様の「架空預金証書」を用いた150億円の詐欺事件を捏造して再々逮捕を平成5年2月10日実行し、平成5年3月3日追起訴(三)をした。何も知らない完全黙秘の私に対して、検察官は素朴な金融常識を捨て何が何でも「詐欺事件」の適用を決意した背景には我が国金融システムそして刑事司法を護る目的で「真相」を国民に隠蔽する以外になかったのである。権力は金融常識を無視してまでもその不合理さを上回るメリットと打算とが存在すれば何でもできるのである。当時、この事件の容疑を表面上認めた事件関係者ですら、当時は私同様事件の「真相」は何が何だか分からない状況だったはずである。ごく一部の真実を知る人間にとって、大蔵省指導による国際金融政策の大失態この「真相」である「BIS規制8%」クリア操作の仕掛けだけは、公表できないことだからなのである。そしてここから20年以上にもわたる権力との私の戦いが始まった。

 

 

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